マバタキビレッジ、それは
「都会の人の、もう一つのふるさと」を作る試み

現代の日本では、おじいちゃんやおばあちゃんが都会で生まれ育ち、帰る”ふるさと”を持たないまま人生を重ねていく、そんな時代になりつつあります。

かつては当たり前だった、「田舎に帰る」「土に触れる」「顔なじみの人がいる場所」は、少しずつ私たちの暮らしから遠ざかってきました。

だからこそ、日本のいろいろな場所に、新しい形の”ふるさと”があってもいいのではないか。

そんな発想から生まれたのが、「マバタキビレッジ」です。

「マバタキビレッジ」が目指しているのは、生まれた場所に縛られない、それぞれの人が選び、関わることのできる”ふるさと”。

農業や地域を軸としながら、都会から来る人や企業という”風”が、土地に根付く農家さんや地域という”土”と出会い、関係が巡っていく。

私たちはこの循環を、「風るさ土(ふるさと)」と呼んでいます。

「マバタキビレッジ」は、農家を守るだけの取り組みでも、
地域を一方的に支援する活動でもありません。

農業に関わる人も、地域で暮らす人も、都会で働く人や企業も、それぞれが無理のない距誰感で関わり、長く続いていく関係を育てていく。

そのための実践の場であり、これからの時代の”ふるさと”の一つのかたちです。

マバタキファームとの関係
− それはマバタキビレッジの ”原点”

マバタキビレッジは、最初から「ビレッジ」を作ろうとして始まった構想ではありません。
むしろ、その原点にあるのは、「マバタキファーム」という、一つの農業の現場です。

「マバタキファーム」は、長野県小県群長和町・大門地区で、自然の力を活かした農業に取り組む農業法人です。

農薬や化学肥料にできる限り頼らず、土の中の微生物や水の循環、そして天侯と向き合いながら、米作りを中心に、ブルーベリー栽培や日本ミツバチの飼育などを行っています。

この農業の現場で日々感じてきたのは、「農業は、食べ物を作る仕事であると同時に、人と自然、地域と暮らしをつなぐ仕事でもある」ということでした。

思い通りにならない天候
待つしかない時間
自然のリズムに合わせる感覚

そうした体験は、現代の暮らしの中で、私たちが忘れかけていた感覚を、少しずつ思い出させてくれます。

マバタキビレッジは、
このマバタキファームでの
実践から生まれた構想


・農に関わりたい人

・地域とつながりたい人

・食や暮らしを大切にしたい人

・企業として関わりたい人

それぞれが、無理のない形で関われる場所を作れないか。

そんな想いで広がってきたのが、このマバタキビレッジという考え方です。

マバタキファームは、マバタキビレッジの中にある「一つの事業」ではなく、すべての取り組みの出発点であり、土台です。

農業があるからこそ、人が集まり、関係が生まれ、地域との対話か始まる。

マバタキビレッジは、このファームを起点に、少しずつ現実的な形で広がっていきます。

なぜ、長和町・大門地区なのか
– それは縄文から続く時間の上にある場所

「長野県小県群長和町」という名前を聞いて、すぐに位置関係が思い浮かぶ人は、正直なところ多くないでしょう。

しかし、地図を実祭に開いてみると、この「長和町」は、長野県のほぼ中央に位置しています。

そして、実は関係者の間では冗談交じりに、この長和町は「日本の真ん中だ」と呼ぶことがあります。

どうしてかというと、Google Earthで「Japan」と入力して拡大していくと、赤いポイントは、この町のすぐ近くの場所を指し示すからです。

そんな話をしながら笑いあうことのできる、少し肩のカカ咳けた土地それが「長和町」です。

縄文時代から続く「暮らしの場所」

さて、歴史的に見て、この長和町一帯は、縄文時代の遺跡や黒耀石の文化と深く関わってきた地域です。

この周辺では、何千年も前から人か暮らし、黒耀石を使って、自然と折り合いをつけながら生活を続けてきた痕跡が残っています。

派手な観光資源はありませんが、「人が長く住み続けてきた土地」であることは、この地域の大きな特徴です。

今も、山のかたちや水の流れ、集落の配置などを見てみると、自然に寄り添った人の暮らしを感じることができます。

大門地区の水と田んぼ

マバタキファームがある「長和町・大門也区」は、蓼科山系につながる清らかな水に恵まれた地域です。

黒耀石に地層を通る湧水(いわゆる「黒耀水」)は、町内の別のエリアで知られていますが、大門の田んぼを潤しているのは、山から流れ下りてくる安定した水です。

冷たく澄んだ水が、季節ことに田んぼを巡り、稲を育てていきます。この水があるからこそ、農業か続き、人の暮らし積み重なってきました。

観光ではない、という魅力

大門地区は、いわゆる有名観光地ではありません。大きな施設も、賑やかな通りもありません。

その代わりにあるのは、
 ・山と空が近い風景
 ・田んぼの上を抜ける風
 ・タ方になると自然に静かになる時間
 ・冬の澄んだ空気と星空

何かを「見に行く」場所というより、その場に身を置くことで感じる場所です。

この場所で続けたいと思えた理由

マバタキファームも、マバタキビレッジの構想も、最初から完成系があったわけではありません。

農業を始め、土地に通い、季節を重ねる中で、「ここなら、無理なく続けられる」そう感じるようになりました。

派手さはないけれど、時間がきちんと積み重なっていく場所。

縄文の時代から、人が暮らしをつないできたこの土地で、次の時代につながる営みを続けていきたい。
その想いが、「長和町・大門」を選んだ理由です。

マバタキビレッジは、この土地に根を張りながら、都会こ暮らす人にとっての、「もう一つのふるさと」になっていくことを目指しています。